「ゴールドマン・サックス研究 世界経済崩壊の真相」(著者 神谷秀樹 文春新書)という本を読みました。
仕事の上では、アメリカの最大手投資銀行と全く関わりはないので、単純な興味から購入しました。
内容としては、ゴールドマン・サックスに9年間所属していた著者が、著者の在籍時と大きく変わってしまった古巣(のみならずウォール街の住人)に対する苦言を述べ、そこからリーマンショック後の世界経済の行方、日本経済の回復に向けた提言などのテーマに発展して意見を述べています。
タイトルこそ「ゴールドマンサックス研究」ですが、過去のゴールドマンと現在のゴールドマンの比較のみならず、金融市場や今後の世界経済の展望についても述べられており(むしろこちらが主眼であろう)、大変興味深い書籍でした。
個人的な意見として、「なんで、ゴールドマン・サックスやモルガンスタンレーの社員は数千万ドルの報酬を受け取れるのか?どういう仕事がそのような多額の報酬に相応しい仕事といえるのか?」など感じていたのですが、過去にゴールドマン・サックスに所属していた著者ですら、違和感を感じているのだなというのが分かりました。(ちなみにオバマ大統領の大統領としての年棒は40万ドルだそうです。)
かなりお勧めです。
弁護士 冨田 雄一