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不出頭でも裁判は進む

9 月 19th, 2011

「裁判になったら,毎回法廷に出なければいけないのですか?」と聞かれることがある。

実は,民事事件では,常に裁判所まで出頭しなければいけないかというと,そうでもない。一方,刑事事件で出頭せずにすむのは,軽微事件など例外的な場合に限られる。今回は,民事事件に絞って出頭せずにすむ場面を紹介しよう。

 

まず,(民事の)ほとんどの当事者は,判決期日にわざわざ法廷まで来ない。民事事件の判決は,当事者が出頭しなくても言い渡される(民事訴訟法251条2項)。当事者席に誰もおらず,裁判官,書記官と事務官しかいない法廷でも,裁判官は判決主文を読み上げている。

 

次に,民事事件では,最初にすべき口頭弁論期日に限り,どちらかが出頭しなくても,答弁書や準備書面等さえ提出しておけば,出頭してその内容どおり陳述した(書面に書いたとおりの発言をした)ことにしてくれる(民事訴訟法158条)。特に被告側だと,第1回の口頭弁論期日は都合などお構いなしに一方的に指定されているから,これを利用して1回目は不出頭のまま乗り切ることも多い。

但し,書面を出さずに出頭もしなかった場合,相手の主張を認めたことになってしまう(民事訴訟法159条1項,3項本文)ので,注意が必要だ。

なお,簡易裁判所では,続行期日でもその扱い(民事訴訟法277条)だから,片方の当事者が出頭してくれれば,もう片方の当事者は出頭しないまま書面を出し続けて手続きを進めることも可能だというわけだ。

 

争点及び証拠の整理を行うため,弁論準備手続に付された場合,その手続きは,テレビで見るような法廷ではなく,裁判所の打合せ室(長テーブルがあり,原告と被告が向かい合わせに座る)で行われる。

弁論準備手続は,当事者が遠隔地に住んでいる場合など相当だと裁判官が判断したときに限られるが,当事者双方と裁判官が同時に会話できるトリオフォン(三者通話電話)というものを利用して電話会議で進めることもできる(民事訴訟法170条3項)。片方の当事者が出頭してくれれば,もう片方の当事者は出頭せず,裁判所から電話が架かって来るのを待つだけでよい。

ただ,このトリオフォンでの通話は,相手が早口だったり声が小さかったりするとかなり聞き取りにくいときがある。遠隔地といっても,私の経験上,大津地裁,和歌山地裁,奈良地裁からは,出頭してくれと言われているので,近畿圏内の裁判所にとって,大阪在住の者は遠隔の地に居住する者にはあたらない運用なのかもしれない。

 

弁護士 横尾和也


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