今年も府内の高等学校へ出張授業に行ってきた。
今回は,「少年事件」,「男女間の法律問題」,「家族・親子の法律問題」,「刑事事件と裁判員裁判」,「労働問題」,「交通事故」,「消費者問題(悪徳商法等)」というテーマで授業を行う旨,あらかじめ学校にアナウンスし,テーマごとに教室を分けてもらい,聴講を希望する生徒が集まるというやり方だ。
私が担当したのは「少年事件」だったが,教室が2部屋割り当てられたのは,これと「男女間の法律問題」の2つだったことからすると,それだけ生徒に関心の高いテーマだということなのだろう。
成人が犯罪を犯すと刑罰(死刑,懲役,禁錮,罰金,拘留,科料)の対象になることに対し,少年は原則として保護処分(保護観察,少年院送致等)の対象になることを説明し,少年事件の流れについてざっと説明した後,実際に今までに経験した少年事件の事案を抽象化して話すと,興味を持ったらしく,話の合間に合いの手を入れてくる生徒もいた。
知り合いや友人が少年事件に関わったことがあるのか,合いの手の中には,「ホゴカン(保護観察)」,「カンベ(少年鑑別所)」等の単語が出たりもしたが,これを機に,「そんな言葉聞いたことあるな~」という程度の知識から,これらの単語が少年事件の手続の中でどのような意味をもっているのか理解するところまでいってくれていれば,講師冥利に尽きるというものだ。
弁護士 横尾和也