大津市のイジメ自殺事件を契機として，イジメ問題に関する報道をよく目にするようになった。

保護責任者遺棄致死事件の裁判員裁判に絡み，親の子に対するネグレクト問題がクローズアップされたこともあり，最近，子どもの人権について考えさせられることが多くなったように思う。

このような，子どもの味方であるべきはずの教師や親が子どもを見捨てているケースでは，子どもがその他の人に助けを求めることが出来る仕組みがなければならない。

大阪弁護士会では，「いじめ」「虐待」等，子どもの人権にかかわる全ての問題について，弁護士に無料電話相談ができる「子どもの人権１１０番」というものが用意されている。

電話番号は06-6364-6251で，ここに電話をすると，子どもの人権問題について関心を持って取り組んでいる弁護士が相談に乗ってくれることになっている。ただし，いつでも電話相談に乗ってくれるわけではなく，毎週水曜日の午後３時～５時と，毎月第２木曜日の午後６時～８時に限定されているので注意して欲しい。子どもの保護者だけではなく，子ども本人からの相談も可能であり，木曜日のものは，子ども達が学校の授業が終わった後にも電話を架けられるように用意したものらしい。

弁護士は守秘義務を負っており，相談内容の秘密は守られるので，他の人に知られることはない。子ども達にとっては，何より相談無料であることが大きい。大津の事件のように命を絶つところまで行かなくとも，深刻な問題になる前に，是非積極的に利用してもらいたいものだ。

なお，インターネットで「子どもの人権１１０番」のキーワードで検索してみると，各地の弁護士会や自治体等においても同じような取り組みをしているらしく，非常に紛らわしい。このブログで紹介しているのは，大阪弁護士会で行っているものであることをお断りしておく。

弁護士　横尾和也